ノーベル賞ウィーク
ノーベル賞 発表 いつ 2022?
21年に物理学賞を受賞した真鍋淑郎さんも対象となる。 22年の受賞者は10月3~10日に発表する。 ロシアのウクライナ侵攻に国際社会の懸念が高まる中、財団は「民主主義と人権への攻撃が続いている」と指摘し「受賞者の業績が希望を与えることになる」と表明した。
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最近は毎年のように日本人がノーベル賞を受賞しているが、2018年は、京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授(76)がノーベル医学・生理学賞を受賞し、2019年は吉野彰旭化成株式会社名誉フェロー(72)がノーベル化学賞を受賞し、2021年はアメリカ国籍を取得している真鍋淑郎プリンストン大学上級研究員(90)がノーベル物理学賞を受賞した。
ノーベル賞受賞者の国別ランキングを掲げる(文部科学省資料による)。ここでは自然科学系3分野についてのランキングを掲げ、文学賞、平和賞、経済学賞は対象から省いている。また複数の国籍の人物については出生国にカウントしている。
ノーベル賞発足からの累計では、米国人が271人と総計624人の43.4%と4割以上を占め最も多い。特に戦後だけをとると米国人が253人であり、総計483人中52.4%と5割を超えているのが目立っている。
米国は日本の南部陽一郎博士、中村修二氏のように海外生まれだが米国籍を取得した多くの学者を擁しており、カウントが基本的に国籍ベースなので、その点からも獲得数が多くなっている。ニューヨーク・タイムズ(電子版)でも2008年の物理学賞を「米国人1人、日本人2人が受賞」と報じたという(東京新聞2008.10.9)。ここでは日本人だけは国籍が米国でも日本に計上している。
第2位以下は、英国が84人、ドイツが71人、フランスが34人と続き、日本は24人で第5位となっている。
戦前はドイツが最も多く、英国、米国、フランスと続いていた。日本はゼロだった。
戦後の受賞者数では日本はフランスを上回る第4位である。
今世紀(2001年以降)に入ってからは、米国の76人に次ぐ18人 世界第2位であり、英国の16人を抜き、4位フランスの9人、5位ドイツの8人をかなり上回っている。最近の日本人の受賞実績が世界の中でも目立っていることがうかがえる。
余り報道されなかったのも不思議だが、こうした戦後や今世紀の順位は、日本人の自信を深めるのに充分なファクトだと思われる。一年前からそうだったのに2015年からこの点をどのメディアも報じるようになった。関連して、日本の技術力の躍進については図録5700参照。
もっとも、引用論文数などのデータから、今後は、これまでのようにノーベル賞受賞者は出ないかもしれないと報道される傾向にあり、政府の研究開発予算が他国より少なく、科学者人材の確保も難しくなっている点を指摘して、科学の危機を憂慮する既存のノーベル賞受賞者の発言がテレビで紹介されることも多い。
賞別には、総数では医学・生理学賞が222人、物理学賞が216人、化学賞が186人の順であるが、日本は医学・生理学賞は5人と少なく、物理学賞11人(南部博士、中村氏を除くと9人)、化学賞が8人となっている。なお、自然科学分野以外の3賞については、日本人には平和賞と文学賞の受賞者はいるが経済学賞の受賞者はいない。
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