前半はこちら
<本の紹介>
精神科医の本音 (SB新書)
精神科医がやっている聞き方・話し方
00:00 OP
01:25 治療プログラム→研修システム→座談会
02:57 精神疾患とは?
07:07 予測する脳とは?
11:38 学習とは?
16:19 治療の定義
18:51 各種、治療法の違い
21:54 自助会の治療の定義
24:57 実現したい治療プログラム
32:21 研修プログラムについて
今日は前回に続いて後半です。治療プログラムのことをお話ししようかなと思います。
YouTubeライブをしながら動画を撮ってますので、そちらのコメントも読みながらやります。
>ヨーダさん(チャット欄より)
「自助会やSlackでの意見交換などの活動内容を、ウェブサイトを立ち上げて発信するのも良いかななんて思います」
これね、立ち上げてるんですよ。
Notionという形で立ち上げているんですけど、あまりリンクとか貼れてなくて。
Notionをもっと見やすく、見つけやすくしようよということを今言ってますね。
>チャット欄より
「境界性、どこで講演会しますか?」
これは自助会ですね。 やつです。
>りこさん(チャット欄より)
「大抵のものはアーカイブ残りますよ」
そうですね、アーカイブ残してます。見てください。
じゃあ後半行きます。
■治療プログラム→研修システム→座談会
治療プログラムの作成、研修システム、座談会の設置ということです。
自助会ってどういう治療をした方がいいのかとか、自助会ってカウンセリングの代わりになるのかとか、自助会ならではの治療って何なのかということをもう一回定義し直すというか、考え直してみようかなと思って今回の動画を撮ろうと思っております。
ステップを5つに分けています。
1.治療の意味を定義
2.自助会の治療、その他の治療方法の違いを定義する
自助会の治療とカウンセリングはどう違うのか、福祉とどう違うのか、ということをもう一回定義しようかなと思います。
3.治療プログラムの目標、未来図の設定
4.研修プログラムを考える
5.座談会の設置など具体的な方法に落とし込む
どんな治療プログラムをこの自助会でやろうかなということを、今の暫定的な僕の考えていることを話す。
研修プログラムってこういうのが必要だよねということを話して、最終的に今からどういう行動をとるのがいいのかということをちょっと話そうかなと思います。
最初の1番、2番でほとんどボリュームがあって、3~5は結構流れる感じなので1番、2番を中心に聞いてもらえればなと思います。
■精神疾患とは?
そもそも精神疾患とはどういうものかということです。
身体的な障害は認めないけれど、通常の訓練および教育によっても社会適応困難な人たち、と今回は定義しております。
身体の病気がないんだけれどもうまくやれない人たち、ということですね。
「社会適応」とは何なのかということです。
社会適応困難とは、後で説明しますけど、「予測する脳」が機能していない不十分である人たち、と定義しました。
こういう風に社会生活を困難にするたち、そういう人たちっているわけですよね。
訓練が足りてないんだとかそういうんじゃなくて、いるんですよ。
じゃあ、こういう人たちに対して特殊なアプローチをしよう、医学的なアプローチをしようということになりますね。普通の訓練と教育ではうまくいかないので、医学的なアプローチで問題を解決していこうとなります。
問題の解決アプローチは何かというと、分類して原因解明とか解決方法の研究開発をする。そしてその後に脳に介入していくのか、それとも言語を使って認知に介入していくのか。それともそもそもの社会制度に介入していくのかこの3つなんですね。
この3つの介入方法をもって、社会適応困難な人たちを少しでも生きやすくするというのが、精神学的なアプローチということになります。
脳への介入とは何かというと、療養、休むということです。
休んだり刺激から遮断するということです。
休むことも立派な医学的な介入なんですね。
あとは薬物治療ですね。
ここら辺がメインで、よくしている介入かなと思います。
電気けいれん療法、磁場を利用するというのもあるんですよ。
神経細胞というのは電気で動いていますので、磁場を利用するというのは理にかなってるんですけれども、実際なかなかいい治療効果は生まれてません。
そこまでいいエビデンスは出てません。
電気けいれん療法はいいけれども、TMSですね。
TMSに関してはあまり出ていないというのが現状です。
あとは腸内環境ですね。栄養療法。
お腹から発信する情報ですね。お腹の様子はどうだよ、ということを脳に伝えているんですよ。
心臓はどれぐらい動いているよとか、呼吸だってどれぐらい動いているよというのは脳に情報を送っているわけで、腸内環境からも情報が行っているんです。
ただ、これもエビデンスは乏しいですね。
なかなかいい治療効果は出ていません。
あと光刺激ですね。
目から光が入ってきて、いま朝だよ夜だよというのを伝えてくれるんですけども、これもあまり出ていません。
運動とかマインドフルネス、呼吸とか体を動かすことも脳への刺激になっています。
これはまだエビデンスはあるのですが、普段結構みんな動いていますから、そこで劇的にということはなかったりしますね。
認知への介入、言語的な介入というのは何かというと、
1.医師・心理士によるカウンセリング
2.福祉の人による生活全般への介入
3.自助会などのピアサポート
などが認知への介入になります。
社会制度への介入というと、
・障害者手帳
・生活保護
・障害者年金
・就労支援
・自立訓練
・就労継続支援
・NPO
・自助会
・障害者雇用
そういうものになります。
■予測する脳とは?
言語的なアプローチというのを今回中心として扱います。
復習になるんですが、「予測する脳」って何ですかという話です。
予測する脳というのは何かというと、人間の脳の中というのは常に動いている。
内部活動と言って、頭の中で何か動いてるんですね。
寝ているときも頭が動いているんですよ。寝てるときも頭は動いているから夢を見ているんですね。
何をしてるかというと「予測」してるんですよね。
これから何が起きるのかというのを脳は常に予測をしている。
この予測と現実世界にズレがあったりする。
重たいものを持つときには、先に「重いぞ」と思って身構えたりするし、力を抜いていたら思ったより重かったとか、階段があると思ってなかったりすると転んだりとか予測してるわけです。
意識についても物理的なものと同じように、運動的なものと同じように予測しているんじゃないかと仮説が立っています。
頭の中でバーチャルリアリティーの世界を作ってるということですね。
頭の中でバーチャルリアリティの世界を作って、目から入ってくる情報と統合をとってですね、頭の中の3D空間、バーチャルリアリティ空間を適宜修正してるんですよ。
この外の刺激、実際の物理的な現実とか外部刺激と、内部活動、予測しているバーチャルリアリティの世界のズレがあるんですね。
ズレがあると、不安や怒り、精神的な疲労が起きるということがわかっています。
このストレスを最小化するように行動したり、バーチャルリアリティの世界、予測を修正したりするんじゃないかとに考えられていて、これを「能動的推論」とか、「自由エネルギー論」という形で今研究されたりしてます。
これはめちゃムズなんで、ちょっと僕もよくわかってません。
数学的にこれを証明したりとか解明しようとしてるんですけど、もうめちゃムズなんでわかる人教えてください。
バーチャルリアリティーの世界。これはどうやって作られているのかというと、主に二つの要素からできているんじゃないかと言われています。
体質など遺伝的なものと、その時の体調によって、その世界が作られているんじゃないか。
あとは記憶と学習です。
これまでの経験、知識、認知ですね。
常識とかそういうものと、遺伝的なもの、その時の体調によってこの内的な世界、バーチャルリアリティの世界ができるんじゃないかと考えられているんですよね。
概要欄続きはこちら(字数制限のため)
https://wasedamental.com/youtubemovie/6789/#c01
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【精神科医がこころの病気を解説するChとは?】
一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。
【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/detail/3509
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb130991f3fa4
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