(CBC 横山朋未記者)
「『ペロブスカイト太陽電池』。非常に薄くて軽く、折り曲げられるんです」
発明したのは桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授です。2009年に論文を発表し、毎年ノーベル賞の候補に上がっています。
(桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)
「『ペロブスカイト太陽電池』、小さいフィルム型でも、しっかり発電してます」
縦横2センチ程度の小さな発電フィルムですが、夕方の弱い日光のもとでも、モーターを回す事ができました。部屋のLEDライトでも。
ペロブスカイトは、夕暮れや蛍光灯などの弱い光でも、発電できるのが1つ目の利点。さらに…。
(桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)
「ペロブスカイト太陽電池を設置して、全体に貼りつければ、結構な面積で発電できる」
2つ目は軽くて柔らかいこと。従来のソーラーパネルは、設置に広い場所と大規模な工事が必要ですが、これは薄くて、折り曲げもできるため、ビルの壁面など、これまで不可能だった場所への設置ができるんです。
そして3つ目、最大の利点が。
(桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)
「これがペロブスカイト結晶の粉末。溶かした液。これをコーティングする基盤に塗り付けます」
簡単に作れることです。ペロブスカイトの溶液を数滴たらし、高速回転で伸ばします。それを熱した板の上に乗せると、あっという間に乾いて出来上がり。 電極をつければ…すぐに電気を取り出せるます。
すでにポーランドでは商品化もされていて、スーパーの値札表示などに使う小型の発電フィルムが販売されています。
そして日本でも。
(東芝研究開発センター 高須勲さん)
「独自の塗布技術で、大型のフィルム型のペロブスカイト太陽電池では、世界最高の15.1%の高い変換効率を得ることができた」
東芝は2025年の発売を目指しています。
(東芝研究開発センター・高須勲さん)
「東京23区の建物の屋根や、壁に『ペロブスカイト太陽電池』が使われれば、原子力発電所2基分に相当する発電量。都市全体を発電所にする」
実現すれば、災害時でも電気を手軽に使えそうです。
(東芝研究開発センター 高須勲さん)
「普段は巻いて置いておいて、災害時に広げて発電できる、家庭での電力供給になる」
災害への備えだけでなく、社会を変える力も秘めています。
#チャント #防災スペシャル #次世代太陽電池
2022年3月11日放送 CBCテレビ
「チャント!防災スペシャル あなたの備えは大丈夫?」より
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